かんなぎの単行本を九巻まで読んだので、軽くレビューします。

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かんなぎはアニメ化もされた人気作品ですが、原作者の武梨えりさんは一時期大病を患い休載していました。今は無事元気になられたようで現在は連載を再開しています。


九巻までの感想と考察を全て書くと長くなるので、今回は重要な部分とさわりだけレビューします。

物語は主人公の高校生御厨仁(みくりやじん)が区画整備の為、取り壊された神社の神木から木像を掘るところから始まります。

由緒正しい神社の神木から木像を掘ったために、神社に祀られていた神様ナギが木像から顕現(神仏が現世に降臨すること)してしまいます。
しかし、顕現したものの、記憶の一部を失ってしまっており、どうしたらいいかわからないナギはとりあえず御厨仁の家に居候することになります。

ヒロインのナギは八百万の神の分身霊(わけみたま)と思われますが、神としては俗っぽいところもあり掴みどころのない性格で、不完全な顕現だった為か神としての重要な記憶がいくつも抜け落ちており、自分でも自分が何者なのかをきちんと把握できていないようです。

しかし、自分がその土地の守り神であり、使命である土地の穢れを払うことは憶えているようです。
(ナギの正体に関しては9巻時点では、まだはっきりとは明示はされていません)
ナギは仁の助けを借りながら、土地のケガレを払いつつ自分が何者であるのかを少しづつ知っていきます。

作品の系統というか、テイストとしては日常系+ラブコメ+神道系でしょうか。

かんなぎは比較的女性の登場キャラクターが多いですが、決して安易な萌えやハーレムモノではなく、ラノベに登場するようなテンプレ的な女性キャラはあまり出てきません。
主人公である御厨仁も最近のラノベの主人公のようにモテモテで無敵超人というわけではなく、むしろ大人な親友に強い憧れを持つ精神的に未熟な少年として描かれています。
男性キャラもしっかりキャラが立っていて、空気なキャラはいません。ハーレムモノが苦手な方も普通に楽しめると思います。

メインヒロインであるナギと主人公の御厨仁の関係性ですが、仁はナギにベタ惚れですが、逆にナギは主人公の気持ちに鈍感で恋愛的な意味で主人公に関心を持っていないような描写が多く、終始、未熟な仁の気持ちを振り回します。
よくある鈍感な主人公と素直になれないヒロインみたいな王道展開の逆パターンで新鮮ですね。

ヒロインであるナギはその特殊な設定上、サブカルを好んだりする俗っぽい人間的な部分と神としての博愛精神を併せ持つキャラクターとして描かれています。
その土地に住む全ての生命を我が子のように等しく愛していると語るシーンもあり、特定の個人への執着や愛情などはもしかしたら無いのかもしれません。

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かんなぎの物語設定の根幹に”神道”があり、武梨えり先生の解釈で設定を上手く物語に溶け込ませています。
特に五巻でナギが分身霊をオンラインゲームのアカウントとキャラクターの関係に例えての説明がすごく分かり易く面白いと思いました。

九巻で語られますが、主人公の苗字の御厨(みくりや)は神の台所という意味で神饌を調進する場所のことを言います。
ナギの名前の由来は神木の椥(なぎ)からで、葉脈が葉先に向け別れることなく真っ直ぐ伸びることから縁結びの象徴とされているそうです。
タイトルのかんなぎは巫(かんなぎ)と架空の神社である神薙神社(かんなぎじんじゃ)をかけているんじゃないでしょうか。
”ナギ”という名前には複数の意味が込められていそうです。

因みに、神社に等に植わってるらしい椥(ナギ)は昔から日本に存在する植物のはずなのですが、ググってもこれという資料が出てこず、正式名称も学名も不明の謎の木です。そのあたりも正体不明のナギっぽいですね(*・ω・)ノ

また、時間があるときに続きを書きたいと思います。